由希はしっかり者です。
感情を表に出しすぎず、何でも自分で片づけようとする。
親が不在がちな家庭で、お姉さんとして踏ん張ってきた背景があるから、あの性格にも納得できる。
そこへ入ってくるのが成瀬。
飄々としていて、生意気で、年下。由希から見れば完全にガキなのに、距離だけはどんどん詰めてくる。
この組み合わせ、やっぱり好きなんですよね。
※この先、作品後半までの内容に触れます。
恋をしても、由希は由希のまま
由希は真面目で、面倒見がよくて、意地っ張りで、抱え込みやすい。
その性格のまま成瀬を好きになる。
だから素直になれない。
「あれっ? もしかしてこの気持ちは? いやいや、あんなガキみたいな奴に」
となる。
これなんだよ。
読者にはかなり早く見えているのに、本人は必死に抵抗している。
この時期の由希、かなり好きでした。
成瀬は早い。由希は遅い
成瀬は、由希への気持ちが分かりやすい。
距離も近いし、言うこともやることも早い。
由希が頭の中で何周も考えている横で、成瀬は割とまっすぐ由希を見る。
この速度差がちょうどいい。
何でも抱え込む由希には、成瀬くらい遠慮なく入ってくる相手が合っていたんだろうなと思う。
袴田くん、長いよ
そして袴田くん。
由希を好きになって、その気持ちが高校だけで終わらない。
大学に行っても続く。
長い。本当に長い。
宇佐美さんの言う「横恋慕ガチ勢」が、あまりにもぴったりです。
袴田くんがいることで由希と成瀬の関係も違う角度から見えるし、宇佐美さんが少し肩入れしてしまうのも分かる。
宇佐美さん自身は恋愛慣れしていそうなのに、報われにくい恋をしている袴田くんを見ると少し応援したくなる。
このサブキャラ同士の距離感も好きでした。
高校の先まで見られるのがうれしい
『なまいきざかり。』は高校のバスケ部ラブコメで終わらない。
大学に行って、生活が変わって、付き合った後の二人も続く。
その長さがあるから、由希が少しずつ肩の力を抜いていくところまで見られる。
由希は最初から強いし、自分でやれる人です。
でも、その強さには「私がやらなきゃ」がずっとついている。
成瀬に調子を狂わされて、腹が立って、意識して、それでも好きになる。
由希そのものは変わらない。
ただ、今まで出せなかった部分が少しずつ出てくる。
この二人だから、ここまで続いたんだろうなと思えます。
